ジョブズに学ぶ、半径5Mのものづくり
まず「自分たち」を想像して、ものをつくった。
■使いたいと思うものがないのなら「自分たち」でつくればいい
「携帯電話のあそこがイヤだ、ここがきらいだとそういう話をずいぶんした。とにかく複雑すぎるんだ。電話帳のように、こんなの使い方がわかる人なんているはずがないと思うような機能がたくさんある。わけわかんないよ」
ジョブズのものづくりの基本はシンプルさと使いやすさ、そして美しさです。なかでもたくさんの機能がついた、何が何だか分からない製品はユーザーを混乱させるだけだとして嫌っています。つくり手はとかくたくさんの機能を製品に盛り込みたがる傾向がありますが、その結果が使わない機能の山盛りになります。
ジョブズはかつてアフリカの文字も読めない6歳の子どもが使い方も知らないはずのiPadを「何となく使った」という記事にいたく感激したという話がありますが、それほどにジョブズにとって製品は「使いやすい」ものであることが重要なのです。
そんなジョブズから見れば当時売られている携帯電話はひどいものばかりで、自分たちが使いたいと思うものがないのなら「自分たち」でつくればいいというのがジョブズの考え方です。こんな結論に到達しました。
「自分たちが使いたいと思う電話をつくろう」